「小説宝石」(光文社) 2007年6月号リニューアル!

“ついにいま進化のとき!刮目のリニューアル特大号”をキャッチフレーズに、2007年6月号(5/22売)から誌名のロゴから表紙のイメージを一新しています。
雑誌名の「小説宝石」のロゴに今までよりも太くしっかりした字体を使用することで表紙インパクトは強くなり、男性的な強さを持つロゴと内容紹介文のヨコ×タテの表記と相まって、力強く新鮮です。
今までの写真とイラストの融合した今までの表紙の発想も楽しく、ある種文学の女性的なイメージが強調されることにより、同じサイズの総合誌との差別化は上手くされていたと思われます。
22日売りの文芸誌には「小説宝石」の他に、「オール讀物」(文藝春秋)と「小説現代」(講談社)があり、それぞれの読者のために志向をこらし凌ぎを削っているだけに、表紙のインパクトは大切。読者の反応も気になるところです。

リニューアルの「小説宝石」6月号は、記念すべき第1回小説宝石新人賞の発表号でもあります。
今までの新人賞は、頑張って応募はしたものの、誰がどんな評価をしてくれたのかがわかりにくかったのですが、今回のこの小説宝石新人賞では、編集部での2次選考の座談会の様子はネット上でも公開され、最終選考の奥田英朗氏と角田光代氏の対談は、角田光代氏からのインタビューと共に今号に掲載されています。
第1回の受賞は、21歳の期待の新人・大田十折氏の「草葉の陰で見つけたもの」。
この受賞作の主人公は半端でなく変わっている・・・最初のシーンでほんの少し人だったけれど、後はずっと“晒し首”なのですから。何なの?と思いながらも、読み始めると一気に読まされ、不思議な世界に誘われ、最後にはちょっと切なくなる作品です。早くも次作が読みたくなる!期待の新人の登場です。
*応募時のペンネームは働いていたパン屋さんのポンパドゥルから本田十折(ほんだとおる)氏でしたが、既に本田透氏が存在することから大田十折氏に改名しています。

「小説宝石」の楽しみなところは、曽野綾子氏の巻頭エッセイ「言い残された言葉」では姿勢を正され、今号から新連載「志賀越みち」も始まった伊集院静氏や東野圭吾氏、池内紀氏などの大御所から独自の世界とファンを築いている赤川次郎氏、新堂冬樹氏、夢枕獏氏、花村萬月氏ら、中堅どころの川光晴氏や川上健一氏、人情時代小説には欠かせない山本一力氏や畠中恵氏ら、注目の三崎亜紀氏や森見登美彦氏、あさのあつこ氏らと・・・
執筆陣のバラエティの広さ。
好きな作家の作品はもちろん、その次に掲載されていた作品にふと目をとめたことから、全く知らなかった作家が好きな作家リストに加わったりすることもしばしば。
ジャンルを定めず新旧(失礼!)の作家の中からお気に入りの作風に出会える確立は高いと思われます。
いつもとはちょっと違う作品を読んでみたい時にはぜひチェックしてみてください。
ヒントをたくさん貰えるはずです。

(2007.06.03)